「TRUE」という記号が抱える現代のジレンマ
TRUEってプログラミングとかでも頻出キーワードだから検索やキーワード抽出的に弱いかもという疑念が個人的に拭えないので歌を届けるのにとんでもなく苦労してそうと名前を見かけるたびに思うTRUEさんだ https://t.co/QzrgZ4VdzK
— まきえたん☘️🥦 (@makietanX) September 17, 2024
現代の音楽シーンにおいて、アーティストの「名前」は単なる識別子を超え、SEO(検索エンジン最適化)やSNSでの拡散力を左右する重要なマーケティング要素となっている。 そんな中、アニソンシーンを中心に圧倒的な歌唱力でファンを魅了し続ける歌手がいる。
TRUEだ。
彼女の圧倒的な歌唱力と生み出される名曲群には誰もが惹きつけられるが、同時にインターネットの海において、彼女の名前はある特有の「難しさ」を抱えている。
「TRUE」という単語を聞いて、プログラマーやシステムエンジニアが真っ先に思い浮かべるのは、真偽値(Boolean)の「真」だろう。
プログラミング言語のコード内、あるいはデータベースの条件分岐において、true は日常茶飯事、いや1秒の間に何億回も処理されている超頻出キーワードである。
この「一般名詞であり、かつ専門用語の最頻出語である」という性質が、ネット検索において牙をむく。
AIや検索エンジンがテキストを解析する際、「TRUE」という文字列だけでは、それがアーティストを指しているのか、プログラムの真偽値を指しているのか、あるいは「真実」という一般的な意味なのかを判別しにくい。
単に「TRUE」とだけ検索すると、プログラミングのTipsサイトや辞書サイトが上位を占めてしまい、彼女の音楽活動や最新情報に辿り着くには「TRUE 歌手」「TRUE アニソン」といった複合キーワードでの検索が必須となる。
ネット社会において、見つけてもらう(ディスカバリー)ためのハードルが最初から高く設定されている状態と言える。
SNSのタイムライン上でも、この問題はファンや本人を悩ませる。ファンが「TRUEさんの新曲最高!」と呟いても、単語が一般的すぎてトレンドワードに引っかかりにくかったり、エゴサーチ(自身の評判検索)でノイズを排除するのが極めて困難だったりするからだ。
だからこそ、彼女が自身の音楽を「届ける」ために費やすエネルギーは、他のアーティストの数倍必要なのかもしれない。
先日もSNS上で、音楽を届けようとする強い意志と、それに伴う葛藤が垣間見えるポストが話題になった。
自分の力不足が悔しいです。
— TRUE/唐沢美帆 (@miho_karasawa) September 17, 2024
私は音楽を心の底から愛しています。
そして音楽を生み出そう、届けようとする人達に支えられて生きています。
一人でも多くの方に届くまで、最後まで発信し続けるよ、諦めてたまるもんか。
わたしの歌を聴けーーー!
わたし達の音楽よ、響けーーー!!!
「諦めてたまるもんか」という言葉の裏には、どれだけ素晴らしい音楽を作っても、システムやアルゴリズムの壁によって「届くべき人に届かない」という現代特有の焦燥感も含まれているのではないだろうか。
検索エンジンの仕様やキーワードの弱さは、アーティストにとって明らかな逆風だ。 しかし、TRUEというアーティストの本質は、そんなデジタルな不利を力技でねじ伏せる圧倒的な「歌の力」にある。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の主題歌をはじめ、彼女の歌声は一度聴けば耳から離れない確固たる存在感を放つ。 システムがどれだけ彼女の文字を認識しづらくとも、ひとたびその歌声が響けば、人間の心には確実にその名が刻まれる。
デジタル社会の隙間に埋もれがちな「TRUE」という名前。 それを本物の「真実(TRUE)」の歌声で世界に轟かせようとする彼女の挑戦は、これからも続いていく。