太ければいいというわけではない
アニメやゲームのキャラクターデザインにおいて、近年「太もも」を中心とした肉体美の表現が過熱している。 特に、リメイクや続編、周年記念イラストなどが発表される際、過去の姿に比べて明らかに肉感的、あるいはボリューミーに描かれるケースが目立つ。
先日も、アニメ『楽園追放 -Expelled from Paradise-』の10周年を記念した新作『楽園追放 -Impelled by 10th Anniversary-』のビジュアルが公開された際、主人公アンジェラ・バルザックのキャラクターデザイン(特に太ももまわり)の「成長」っぷりがネット上で大きな話題となった。
個人的には右のほうがいいんよな https://t.co/E9A4dDwlKY
— まきえたん☘️🥦 (@makietanX) November 17, 2024
確かに、デフォルメされた肉体美や、はち切れんばかりの造形には一目で惹きつけられるキャッチーさがある。 フィギュア映えもするし、現代のトレンドにも合致しているのだろう。 SNSで「助かる」「素晴らしい」と歓喜の声が上がるのも無理はない。
しかし、個人的には「右のほうがいい」。
初期のデザインが持っていた、どこかスレンダーでありながらもしなやかな筋肉のライン、 SF作品としてのスタイリッシュさ、そして近未来のスーツが持つ特有のソリッドな美しさ。 それらは単に「太さ」だけでは代替できない魅力に満ちていた。 キャラクターの魅力とは、全体のシルエットのバランスや、その世界観に馴染むリアリティ(あるいは記号としての完成度)によって構築されるものだからだ。
もちろん、時代の変化やファンの需要に合わせてデザインがアップデートされること自体は否定しない。 ただ、あらゆるキャラクターが画一的な「肉感トレンド」に飲み込まれてしまうのは、少し寂しいものがある。
太さは正義かもしれない。
だが、「太ければいいというものではない」のだ。 かつてファンを魅了した、あの絶妙なラインやシャープな美学にも、いま一度光が当たってほしいと願う。