個人でアプリを開発し、世界に向けてリリースする。 かつてAndroidアプリ開発は、その手軽さと自由度の高さから多くの個人開発者(インディペンデントデベロッパー)にとっての登竜門であった。

しかし、近年のGoogle Playストアにおけるポリシー変更は、個人開発者に対して極めて厳しいものとなっている。 今、多くの開発者が直面している「20人のテスター問題」と「ストアアカウント削除リスク」について考察する。

2023年11月以降に作成された個人のGoogle Playデベロッパーアカウントにおいて、アプリを製品版として公開するためには「20人以上のテスターを確保し、かつ14日間連続でクローズドテストを実施すること」が義務付けられた。

身近に20人以上のAndroidユーザーを確保できる個人開発者がどれだけいるだろうか。

「本質的なアプリ開発とは無関係な調整コスト」が発生したことで、アイデアをすぐに形にして世に出すという、個人開発ならではの機動力が完全に奪われてしまったのである。

なんとかテストを乗り越え、アプリをリリースできたとしても安心はできない。 Googleは長期間アクティブでない、または特定のポリシー基準を満たさないアカウントに対する整理(削除)を厳格化している。

せっかく25ドルの登録料を支払い、苦労してテスターを集めて作ったデベロッパーアカウントが、運用の手間で放置された結果、あるいは予期せぬポリシー違反の巻き添えで消えてしまう。 この精神的ダメージは計り知れない。

Google側の「ストアの品質向上」や「悪意あるアプリの排除」という意図は理解できる。 しかし、その網があまりにも細かすぎるがゆえに、健全な個人開発者までが締め出されているのが現状だ。

プラットフォームの規約に振り回される時代だからこそ、開発者は「ストアに依存しないサバイバル術」を身につける必要がある。 かつてのような「誰もが気軽にアプリをリリースできるワクワク感」が、再びAndroidの世界に戻ってくることを願ってやまない。