アニメ『ダンまちV』に漂う「尺不足」の懸念――2クールで描くべきだった面白さと勿体なさ

人気ライトノベルを原作とするアニメ『ダンまち』シリーズの第5期(ダンまちV)。 相変わらずの圧倒的な面白さと熱い展開でファンを魅了しているが、一方で視聴者の間からはある「懸念」の声が上がっている。

それが「圧倒的な尺不足感」である。

SNS上でも、本作のクオリティやストーリー展開を絶賛しつつも、その進行スピードに対して以下のような惜しむ声が見受けられる。

『ダンまち』の原作小説は、緻密な世界観設定とキャラクターたちの心理描写、そして重厚なバトル展開が魅力の作品だ。 特に物語が佳境に入る後半のエピソードになればなるほど、1冊あたりのボリュームや情報量は膨大なものとなる。

これをアニメの1クール(約12話前後)という限られた枠内に収めようとすると、どうしても以下のような問題が生じやすい。

バトルやメインストーリーを急ぐあまり、キャラクター同士の細かい掛け合いや心情の変化が省略されがちになる。

視聴者が余韻に浸る間もなく、次の大イベントへと物語が転がっていく。

アニメとしてのクオリティが非常に高く、純粋に「面白い」からこそ、「もっとじっくりとこの世界観を堪能したかった」「2クールかけて丁寧に描いてほしかった」という贅沢なジレンマが生まれているのだ。

もし本作が2クール(約24話)の構成であったなら、どのような違いがあっただろうか。

第一に、原作の持つ「溜め」のパートをしっかりと描写できたはずである。 強大な敵に立ち向かう前の絶望感や、キャラクターたちが葛藤する時間を丁寧に描くことで、クライマックスの爆発力はさらに増したに違いない。 また、周辺のサブキャラクターたちの活躍や背景にもスポットを当てることができ、群像劇としての深みもより一層増しただろう。

尺が足りないと感じさせるのは、決して作品の出来が悪いからではない。 むしろ「カットされた部分も含めて、すべてを見たい」と思わせるほど、作品自体が魅力的で面白いからに他ならない。

魅力的なエピソードが満載だからこそ、駆け足で通り過ぎてしまうのが「もったいない」と感じてしまう。 ファンとしては、限られた尺の中でスタッフが全力を尽くしている姿を応援しつつも、「もし2クールあったなら……」というifの妄想を禁じ得ないのである。