東京と大阪の新築マンション価格の上昇率が世界主要都市の中で首位となった。

かつて「失われた30年」と言われ、デフレが長く続いた日本の不動産市場において、この急激な高騰は極めて異例の事態である。

東京と大阪が1.5%の上昇率で並び、シドニーやシンガポールといった世界の主要都市を抑えてトップに立っている。 一方で、上海(▲1.0%)や北京(▲1.2%)、香港(▲3.1%)など、中国・中華圏の主要都市では価格の下落が顕著であり、アジア圏内での不動産投資マネーの動きに明らかな変化が見て取れる。

この上昇を牽引している主な要因は、低金利環境の継続と海外投資家からの旺盛な需要である。

歴史的な円安水準も手伝い、世界の主要都市と比較した日本の不動産は「割安感」が強い。

さらに、都心部や駅近の好立地物件に対する実需(富裕層や共働きパワーカップルによる購入)も根強く、供給が追いつかない状況が続いている。

大阪においては、万博やIR(カジノを含む統合型リゾート)計画に伴う再開発への期待感から、地価も含めた市場全体が急速に押し上げられている。

世界最大の上昇率を記録したことは市場の活況を意味するが、同時に一般の住宅購入検討者にとっては「手の届かない存在」になりつつあることを意味する。

今後、金利政策の動向や為替の変動によっては市場の潮目が変わる可能性もあるが、当面は東京・大阪のブランド力と資産価値の高さが国内外の買い手を引きつけ続ける可能性が高いだろう。